2026年2月再スタート

『ソロ・エコー』 島口大樹

失踪した父親のカメラを片手に横浜の街を歩き、父親の記録をたどる話。
父親と関係があった人と出会い、父の記憶をたどる話。
これといったうまい感想を思いつかず、この本の書評が文芸誌新潮に掲載されているみたいだが、読んでない(読んでみたい)

 この小説は息子の目線で描かれる。
あるのはカメラと写真、まわりの人が話す父象。
喪失ではなくて、すでにない(いない)ものの記憶と記録をさぐる。歩く。
親子だが、記憶にさえないんだから他人っちゃぁ他人か。
すでに、いない父でもやはり男にとって父親とは特別な存在なのか。
まず乗り越えなければいけない存在なのか。
関係はどうであれ、映画、小説、物語において父親というのは、いなかったり、不倫してたり、仕事人間だったり、リストラされたり、暴力的だったり、ただぐーたら過ごしていいたり、存外に扱われている気がしてきた。
世の中にはいいパパがたくさんいるのに、物語ではあまり描かれない気がする。

 こう書く自分も2人の息子をもつ父親だが、父親なんてそんなものか。
家庭をもった今では年に数回しか会わない父のことを考えるなんてことはほぼない。
昔から、産まれた時からあたり前にいて、今もいる。いついなくなるかもわからないのだが。そう考えると、父に会った時、会う時くらいこの時間を大切にしようと思うのだが、いつも通りぶっきらぼうに接し、あたりまえに過ごしてしまう。
ただ、自分が父になってはじめてわかったことは、息子のことを忘れる瞬間なんて1ミリもない。光よりも早く、息子のことを想うことができる。想っている。

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