これはヤラれた。 ページをめくる手がとまらないなんて、ありえないくらい陳腐な表現だが、ほぼ一夜で読みきってしまった。
こんなことはあまりない。寝る前にちびちびと酒を飲むように本を読み、いつの間にか寝てしまう、いつものルーティーンをぶっ壊してくれた。
眠れなかった。続きを読みたいから。
紹介します。
「ありえない仕事術」という題名からして、カミデさんの奇天烈な仕事術が面白いのか?と読み始める。確かに前半戦は「なるほど」「ふむふむ」と読んでうなずきたくなる仕事術が書かれているが、特別面白いことはない。真っ当なことを書いていると思う。
問題は第二部からである。
ここからは実際に本書を手にとって読んで欲しいのだが、さわりだけ説明する。
ある節を引用。
「人の欲望を利用する。欲望をくすぐり、振り向いてもらう。振り向いてもらったら、逃がさない。その為には問いをたてる。問われた視聴者はその答えを知るまで逃げられない。問いの罠に捕らえる」
「ありえない仕事術」P.067
第一部のまとめであり、第二部への伏線でもある文章。
第二部。
カミデさんが制作するドキュメンタリー番組の企画書やスタッフ編成といった、より実践的な内容からはじまる。番組の裏側というやつだ。面白そう。読み進めていく。とまらない。
読了。
何が起こったのか。
ネタバレになってしまうので、詳しくは書けないが、
いつの間にか、私の欲望をくすぐり、答えを知るまで逃げられない罠に捕まってしまっていた。
しかも、恥ずかしながら本書を読み終わるまで、この欲望と問いの罠にまんまと捕らわれていたことにさえ、気がつかなかった。
もう一度、先ほど引用した文章を読んで欲しい。
そっくりそのまま、自分に当てはまる。
欲望を利用された。
欲望をくすぐられた。
問いを立てられ、
答えを知るまで、逃げられなかった。
超実践的体験型仕事術。ありえない。


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